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2016.10.17

【コラム】副作用がない補腎薬は 様々な症状に効果がある

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 アトピー性皮膚炎で長くステロイド剤(副腎皮質ホルモン)を使っていた小学生が母親の判断で使用を中止したところ、急に悪化したとの相談を受けたことがある。
 見ると、顔から手足まで高度の水腫(むくみ)があり、赤く熱を帯びた皮膚はジュクジュクとただれて痛々しかった。

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 ステロイド剤は、抗炎症作用が強い反面、安易に長期連用すると副作用の心配がある。だからといって途中で急に中止するのは、極めて危険である。
 知人の医師から、長年ステロイド剤を用いてきた患者の屍体を解剖した時、副腎が紙のように萎縮していたとの話を聞いたことがある。
 萎縮した副腎は、機能が低下する一方で、依存したステロイド剤の投与を突然中止すると、原病の再燃(リバウンド)を引き起こす。

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 一方、漢方医学では、下垂体、副腎、性腺などすべての内分泌系の働きを、腎の機能の一部としてとらえている。
 そのため、腎の働きを強化する補腎薬や漢方素材(例えばカンカニクジュヨウ=通称「カンカ」など)をベースとした健康食品には副腎皮質の機能を補い促進する働きがある。
 しかも、副作用や依存性がなく、それまで服用してきたステロイド剤を少しずつ減量し、最後には完全にやめることも可能である。

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 補腎法は、ステロイド剤の離脱法、あるいは副作用のないホルモン療法とも考えられるため、上手に使えば、長期間ステロイド剤を服用し副作用に悩む慢性腎炎、ネフローゼ、慢性皮膚病などの患者に一つの可能性を与えることになる。

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袁世華(新潟薬科大学 特別招聘教授)
昭和16年中国の吉林省生まれ、長春中医学院医学部卒業後、同大学の助手、講師、助教授、教授を歴任。
1988年3月来日、東邦大学医学部心療内科、産婦人科、北里大学医療衛生学部の客員研究員,情報科学研究所東洋医学研究室の主任研究員を経て、現在、杏林中医薬情報研究所所長を務め、日本全国各地で漢方医学の講義、新聞や健康雑誌の原稿の執筆を行う。
著作は『金匱要略訓解』、『西洋薬の副作用の中医治療』、『心身医学概論』、『婦人の宝・当帰』『ペイチー茶驚異のパワー』、『健康増進とリスク研究』、『痛みを根元から断つ』 、『漢方薬よく分かる本』『漢方から見たノニ』など多数。