STAFF BLOG

2016.04.19

【コラム】高血圧の方は体内の陽気には警戒が必要

 4月も中旬を過ぎ、木々の緑が眩しい季節。自然界の陽気が強まるにつれて体内の陽気も増加してきます。陽気は万物の成長に欠かせないエネルギーですが、日頃過剰ぎみの人にとっては、春の陽気が病気を誘発する原因にもなります。中国漢方の五行論によると、肝は木に属し、春になると木の勢いが旺盛になると考えてられています。一方、腎は水に属し、腎(水)は肝(木)を滋養する関係にあります。

五行五臓

 また、腎は先天的な体質と関係が深く、肝はストレスの影響を受けやすい臓器とされています。高血圧体質の人には一般的に腎虚(腎の機能低下や栄養不足)傾向が見られますが、こうした人がストレスや春の陽気の影響を受けると、腎(水)が肝(木)を十分に滋養できなくなります。このため、肝の陽気は相対的に過剰となり、頭痛、めまい、耳鳴り、顔面紅潮などの高血圧症候群を呈するようになります。
このような人は、この時期、血圧の上昇や脳卒中発作に対する警戒が必要です。

中药材

 予防策としては、腎を補う六味地黄丸に、肝の高ぶりを抑える菊花を配合した杞菊地黄丸のような処方を用いると良いとされています。民間療法では菊の花や決明子(ハブ茶)をお茶代わりに飲む方法があります。
 頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状がひどい時には、急いで陽気を鎮める必要があります。これには竜骨(大型動物の化石)、牡蠣(カキの殻)、石決明(アワビの殻)、真珠母(真珠貝の殻)、磁石などの貝類や鉱物質のものを用いると良いとされています。処方としては柴胡加竜骨牡蠣湯が保険適用ですが、中成薬なら「養血清腦顆粒」が知られています。

养血清脑

袁先生
袁世華
昭和16年中国の吉林省生まれ、長春中医学院医学部卒業後、同大学の助手、講師、助教授、教授を歴任。
1988年3月来日、東邦大学医学部心療内科、産婦人科、北里大学医療衛生学部の客員研究員,情報科学研究所東洋医学研究室の主任研究員を経て、現在、杏林中医薬情報研究所所長を務め、日本全国各地で漢方医学の講義、新聞や健康雑誌の原稿の執筆を行う。
著作は『金匱要略訓解』、『西洋薬の副作用の中医治療』、『心身医学概論』、『婦人の宝・当帰』『ペイチー茶驚異のパワー』、『健康増進とリスク研究』、『痛みを根元から断つ』 、『漢方薬よく分かる本』『漢方から見たノニ』など多数。